ロングモーン１３年　２００３　キングスバリー　リミテッド・エディションズ
（Longmorn13Years 2003 Kingsbury Limited Editions)

容量・・・７００ｍｌ
アルコール度数・・・４６度
蒸留年・・・２００３年
熟成年・・・１３年

■香り・・・アーモンドや東洋のスパイスの香りがグラスから立ち上ります。
■味わい・・・新鮮なレモン、大麦の甘さ、穏やかな麦芽の風味が、すっきりとしたオークや砂糖漬けのフルーツの風味と混じりあいます。
■フィニッシュ・・・やわらかく華やかなフィニッシュ。

加水の妙が見られる｢リミテッド・エディションズ｣。名実ともにスペイサイド代表「ロングモーン」。アーモンドや東洋のスパイス、シルキーな口当たりがレモンの爽やかさと大麦の甘さを導きます。

キングスバリー社は、スコットランド・アバディーンにて設立、1989年よりシングルモルトのボトリングを開始し、その後ロンドンに事務所を構え、専門的な蒸留酒を取り扱っている、インディペンデント・ボトラーです。創設当初は、モルトウイスキーという言葉すら一般的ではない時代で、日本に流通しているボトラーといえば、老舗のゴードン＆マクファイル社やケイデンヘッド社くらいでした。

この度、スプリングバンク蒸留所の創業一族であるGordon Wright（ゴードン・ライト）氏が同社代表として戻ってまいりました。キングスバリー社の初期のボトルには、「Eaglesome（イーグルサム）」という表記が見受けられますが、これは当時同蒸留所を所有していたケイデンヘッド社の子会社の名前であり、ライト氏の監修のもと、ボトリングが決定されていたことを示しています。ライト氏による樽の選定、それが今日のキングスバリー社の原点であり、これからなのです。

新しいキングスバリー社商品は、創設当初のように、「カスクストレングス」と「リミテッド・エディションズ（46％）」の２タイプをリリース。コンセプトは、「ビンテージ」。スコッチ業界では、主に熟成年数に重きがおかれ、ビンテージの良し悪しで語られることはほぼありません。

しかしキングスバリー社の考えである、その年の様々な要因によって、シングルモルトのビンテージによる特別なキャラクターが存在し、熟成の過程も大いに重要ながら、そのウイスキーが生まれたその瞬間に一番の視点をおきたい、という強いコンセプトが、新たなラベルにはっきりと表れています。

今回は、その輝かしいファーストリリースから、「リミテッド・エディションズ」、通称「シルバーラベル」をご案内いたします。この「リミテッド・エディションズ」は、加水することにより、その個性が活き、花開くであろう原酒が選別され、バランスに優れた技が見られる作品。今後も目が離せない注目のNEWキングスバリー！皆様、ぜひその真価をお確かめください。


■オフィシャルの蒸留所について・・・

ロングモーンとは、ゲール語で”Place of holyman"(聖人の場所）を意味します。
実際、蒸留所が建てられた場所には、修道院のチャペルがあったといわれ、１７世紀にはその跡に粉挽き工場が建てられました。

グレンロッシー蒸留所を創設したジョン・ダフがこの地を手に入れたのが１８９３年で、翌９４年にロングモーン蒸留所を建設しました。１８８０年代から１８９０年にかけて、ハイランドではちょっとしたウィスキーブームが起こり、数多くの蒸留所がこのころに建てられています。ダフの蒸留所もそうした好景気のおかげであったが、もちろん、周辺にはピートがふんだんに有り、エルギン周辺が大麦の一大産地であったことも、ロングモーンのウィスキー造りを可能にしました。

しかし１９０９年に蒸留所はジェームズ・R・グラントの手に渡りました。ウィスキー業界には、このグラント姓が多く、彼の２人の息子はのちに、グレンファークラスやグレンフィディックのグラント家と区別するために「ロングモーンのグラント兄弟」と呼ばれることになりました。

その後１９７０年代までグラント一族がロングモーンの経営にあたっていましたが、１９７２年にグレングラント、ザ・グレンリヴェットと合併、１９７８年にカナダのシーグラム社の傘下に入りました。現在はペルノ・リカール社の所有となっています。

ロングモーンは、ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝が１９１９年に実際にウィスキー造りを修行させてもらった蒸留所のひとつでもあり、そういう意味では、日本のウィスキーの母となる蒸留所といえるかもしれません。